【レビュー】MSRのエントリーモデル、エリクサー1

MSRのエリクサー1を10泊ほど使いましたので、レビューします。
結論から言えば、エントリーモデルでありながら立ち位置が明確でMSRの哲学を感じられるいいプロダクトだと思います。

おすすめポイント

  • 広々と前室が使える
  • 手軽に設営&撤収を行える
  • ミリタリーライクなテント(グリーンのみ)

目次

  1. 概要
  2. レビュー
    • [

MSRとは

登山家のラリー・ペンバシーが創業した登山ギアメーカーです。
Mountain Safety Researchの名の通り、山での安全を考え、質実剛健なプロダクトを製造しています。
また、ある程度完成されたテントというジャンルにおいて、カーボンを利用するなど前衛的な姿勢も感じられます。
個人的には3大ポールメーカーのうち、イーストン社のポールを使い続けている点もツボです。

テントラインナップ

MSRのラインナップを見る際は、価格の事はひとまず忘れてください。
居住性と重量(収納容積)が反比例するようになっており、それに合わせ生地やポールの素材が変わります。
グレードではなく、テントに何を求めるか明確であればモデル選びしやすいかと思います。
逆に言えば、お金を出せば広くて軽いテントが買えるわけではないのです。
個人的にはこのラインナップ構成は趣味性があって好みです。

エリクサーとは

MSRのラインナップのうち、もっとも居住性に特化したモデルです。
広さを確保するため、ポールと生地の量が他モデルと比較して多いです。

メリット

価格

山岳テントはソロ用でも5万円前後と購入ハードルが高くなりがち。
それに対し、エリクサーはソロ用だと約3万とリーズナブル。
高価な生地やポールを使用していない為、軽量モデルの半額ほどで購入することができます。

収納袋が大きい

きっちりたたまなくても、ざっくりとしまえるほど収納袋が大きいです。
雨天時など、ささっと撤収できるのはメリットです。

収納ポケットの多さ

スペースが限られている山岳テントではちょっとした収納ポケットがありがたい。
エリクサーには両サイドに各1つ、上部に2つと軽4箇所あります。
他の山岳テントだとオプションとなっていることが多いですが、最初から備え付けられており便利です。

拡張性

前室が広い事が特徴のエリクサーですが、比較対象はあくまでも山岳テント。
靴を置いたり、ちょっとしたテーブルは設置できますが、それで精一杯。
雨の日にずぶ濡れのザックなどインナーテント内に入れたくない大型の荷物の置き場に困るケースがあるでしょう。

そんな時に活躍するのが純正アクセサリーのギアシェッド。
前室を拡張する事が可能です。
その日の荷物量に応じてテントのサイズ(重量)を可変できるメリットがあります。

デメリット

重い

山岳テントの重量は、年々軽くなる一方。
軽量テントだとダブルウォールでも1000gを切るモデルも出てきました。
そんな中エリクサーは2160gと、少し重量があります。

収納サイズが大きい

重量同様、山岳テントにしては少し嵩張ります。
登山にせよ、キャンプにせよ山岳テントを選ぶ理由から考えると、デメリットです。

結露


インナーテントの上部がメッシュの為、結露が落ちてきた際にシュラフが濡れる恐れがあります。
もともと推奨されていませんがテント内での煮炊きは控える必要があります。

結論:収納スペースと重量に余裕があるのであればオススメのテント

収納スペースと重量に余裕があるのであればオススメのテントだと思います。
また拡張性がある事から、テントに対する方向性の定まっていない初心者の方にも向いています。
テント自体のストライクゾーンはかなり広いものの、多少嵩張るのでUL思考の方はよりコンパクトなモデルを検討されたほうが良いかと思われます。